021. ブナ科

ブナ科 ( Fagaceae )

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 北半球の森林で,針葉樹に次いで広大な面積をしめているのは,ブナ科の樹木である。日本の植生分類を見ても,北部はブナ帯,南部ではシイ・カシ帯になっている。今,人間がくらしを営んで,宅地,農地,人工林となっているところも,昔は,日本南部ではシイ・カシなどが中心の照葉樹林,東北地方の丘陵地には,コナラ・クリの巨木が一面に広がっていたと推定されている。いわゆる「鎮守の森」のような林であった。そこに人間が手を加え,低地の広葉樹林は姿を消し,代わって現れたのが雑木林である。
 ブナ科の樹林は,生長量が多く,薪炭材として重要な役割を果たしてきた。雑木林は,人の手が加わることによって出来た植物相である。しかし,その雑木林も,生活様式が変化するにつれ,豊富な自然が残る,数少ない所である。これらの3種の林が,日本におけるブナ科の林の典型的なものである。
 ブナ科の植物の実は,いわゆるドングリで,拾って遊んだことは,だれにもあることだろう。このようにブナ科の植物は,人と深いかかわりを持った植物である。
 ブナ科は8属600種からなり,全世界に広く分布している。本書ではその中の6種をとりあげている。

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